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子宮頸がんの症状を知る|各ステージ別の特徴とは?

子宮頸がんは、初期症状がほとんどないのが特徴ですが、ある程度進行すると、次のような症状が現れます。
  • 不正出血(生理以外の出血)
  • おりものの異常(茶色・褐色・異臭など)
  • 性行為時の痛み
  • 下腹部痛や腰痛
  • 生理不順
  • 血便・血尿・頻尿


子宮頚ガンは、進行具合や転移の有無によって、0期からⅣ期のステージに分類されます。

各ステージにおける症状は、下記の通りです。

<0期>

子宮の表面だけにがんがある状態。

<Ⅰ期>

癌が粘膜より下の組織に進み始めたが、まだ子宮頚部だけに留まっている状態。

<Ⅰa期>

癌が粘膜を破ってすぐの状態。(微小浸潤がん)

<Ⅰb期>

癌の浸潤が深くなり、転移の可能性が出てくる状態。

<Ⅱ期>

癌が骨盤内にまで広がっているが、骨盤壁や膣壁の三分の一まで達していない状態。

<Ⅱa期>

癌が膣壁に広がっているが、子宮頚部周囲には広がっていない状態。

<Ⅱb期>

癌が子宮頚部の周囲に広がっているが、骨盤部には達していない状態。

<Ⅲ期>

癌が骨盤部または膣壁の三分の一まで進行した状態。このステージからは手術がほぼ不可能な状態になります。

<Ⅲa期>

癌が膣壁の三分の一以上広がっているが、骨盤壁には達していない状態。

<Ⅲb期>

癌が骨盤壁にまで達し、腎臓と膀胱をつなぐ尿管ががんのために機能しなくなる状態。

<Ⅳ期>

癌が直腸や膀胱まで広がる状態。または子宮から離れた臓器へ転移している状態。末期がん。

<Ⅳa期>

癌が膀胱や直腸の粘膜まで広がっている状態。

<Ⅳb期>

癌が離れた臓器に転移している状態。

子宮頸がん予防ワクチンの効果・費用・副作用について

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんには、2006年にアメリカで承認された予防ワクチン(HPVワクチン)があり、ワクチン接種は、子宮頸がん全体の約65%を予防できるとされています。

子宮頸がん予防ワクチン接種の対象年齢は9歳以上で、3回の接種で完了し、20年以上有効期限があるとされています。

日本では2009年にワクチンが認可され、一部の自治体では公費負担で接種が行われていましたが、2013年4月より厚生労働省によって定期接種化が行われました。
しかし、その後副作用の報告により6月に積極勧奨を一時中止しています。

子宮頸がん予防ワクチンの費用

自己負担の場合、3回の接種の合計費用は約4〜5万円です。

子宮頸がんワクチンの副作用

子宮頸がん予防ワクチンの接種に伴う副作用としては、次のような症状が挙げられます。

<頻度10%以上>
 注射部位の痛み、かゆみ、腫れ。腹痛、筋肉痛、関節痛、頭痛など。

<頻度10%未満>
 めまい、発熱、じんましんなど。

<頻度1%未満>
 注射部位のしびれ、知覚異常、全身脱力など。


2013年に日本で報告された事例は、「複合性局所疼痛症候群」と呼ばれる、体の痺れ、痛み、歩行困難などの症状です。
念のため、次のいずれかの条件にあてはまる方は、ワクチンを受ける際に医師とよく相談することをお勧めします。

  • 出血した際、血が止まりにくい方。
  • 心臓血管系、腎臓、肝臓、血液に基礎疾患のある方。
  • 過去に予防接種を受けた際、接種後2日以内に発熱の症状があった方。
  • 今後妊娠の可能性のある方。


ちなみに、WHO(世界保健機関)は、日本で報告された副作用の状況を踏まえた上で、子宮頸がん予防ワクチンの効果と安全性を強調する声明を発表しています。

子宮頸がん検診の方法/費用に関する最新ガイド

子宮頸がん検診の費用

子宮頸がんの早期発見に有効な方法は、やはり子宮頸がん検診を積極的に受けることではないでしょうか。

子宮頸がんの検診費用は各自治体で異なり、自治体が指定した医療機関での検診に助成制度があり1,000〜2,000円程度で受けられる場合や、一定の年齢の方には無料で検診を受けられるクーポンを配布している場合があります。

産婦人科で自主的に検診を受ける場合の検診費用は、5,000〜8,000円程度が目安となります。出血しているなど異常のある場合は保険診療の対象となります。

子宮頸がんの検診方法

子宮頸がんの検診方法は、次の通りです。

通常は、問診・内診・細胞診がセットで行われ、問診では初潮年齢、生理の様子、妊娠・出産暦などが訊かれます。内診では、内診台に乗り、子宮全体や卵巣・卵管などを触診します。

<細胞診>

細胞診は、綿棒やブラシなどで子宮頚部をこすり、細胞を採取し、顕微鏡を使ってがん細胞の有無を確かめる検査になります。
検査にかかる時間は1〜2分程度で、少量の出血がみられることがありますが、痛みもなく麻酔の必要もありません。
異常が確認された場合は、膣拡大鏡を用いて直接観察したり、組織の一部を採取したりして総合的に判断し、クラス1(陰性)からクラス5(陽性)に分類して判定します。
細胞診検査の結果は2週間ほどでわかります。

<拡大鏡検査>

コルポスコープという機器を用いて、子宮頚部にある肉眼では見えない小さな異常を確認する検査方法です。

<組織診>

組織を3ミリ程度切り取り、顕微鏡によってその細胞ががん細胞であるかを調べます。痛みはありませんが数日間出血することがあります。


産婦人科を訪れる時間のない方や、定期検診を受ける機会のない方には、検診キットを購入し、血液や尿などを自分で採取して検査機関へ送るという、郵送による検査をお勧めします。

子宮頸がんの治療と手術方法に関する最新ガイド

現在行われている子宮頸がんのステージ別の主な治療法と手術法は、以下の通りになります。

<0期>

  • レーザー治療
  • 高周波凝固治療: 高周波を用いて電磁波の熱でがん細胞を殺す治療法です。
  • 凍結療法: がん細胞を凍らせて殺す治療法です。
  • 円錐切除術: 腹部を切らずに膣の中にメスを入れることで子宮頚部を切除します。患者さんにとって、もっとも不安の少ない手術法と言えるかもしれません。術後の妊娠・出産にも支障はありません。
  • 子宮全摘出術: 子宮を全て摘出する手術で、早期の子宮頸がんに最適な治療法といわれていますが、妊娠・出産は不可能になります。

<Ⅰa期>

  • 子宮全摘出術
  • 両側付属器切除(卵巣は温存)
  • 円錐切除術
  • 準広汎または広汎子宮全摘術(3~5mmのより深い浸潤がある場合): 骨盤壁近くから子宮と膣の一部を切除する方法で、関連する所属リンパ節も同時に切除します。
  • 放射線療法(腔内照射):がん細胞のある部分に薄いプラスチックチューブを通し、放射線を出すアイソトープを使用したプラスチックを入れて治療する方法です。

<Ⅰb期>

  • 腔内照射と外照射(体外からの放射線療法)の併用
  • 広汎子宮全摘術(リンパ節郭清):子宮および周りの組織を取り除く手術で、術後の妊娠・出産は不可能になるほか、排尿・排便障害の可能性もあります。
  • 術後放射線治療:がんの細胞に放射線をあて、細胞を殺す治療法ですが、吐き気・食欲不振などの副作用があります。

<Ⅱa期><Ⅱb期>

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 広汎子宮全摘術(リンパ節郭清)
  • 術後放射線治療

<Ⅲa期><Ⅲb期>

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 放射線治療と化学療法の併用
  • 免疫療法

<Ⅳa期><Ⅳb期>

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 放射線と化学療法(抗がん剤)の併用
  • 全身化学療法,免疫療法

子宮頸がんの原因と予防上の注意点(HPVウイルス感染のリスク)

子宮頸がんの原因

子宮頸がんの原因としてまず挙げられるのは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスへの感染です。

粘膜から発症する扁平上皮がん患者のほとんどが、このウイルスの感染を原因としています。

HPVは性交渉によって感染するので、性体験のある女性であれば、誰でも感染の可能性があります。
その中でも、特に性交渉の回数が多い女性、複数の相手と性交渉を行っている女性、初体験の年齢が低い女性、喫煙する女性、ピルを長期間服用している女性、妊娠・出産経験のある女性は、ウイルス感染の可能性がより高くなります。

ちなみに、子宮頚がんの患者の多くは、20代〜30代の女性です。

女性の約80%が、一生のうちに一度はHPVウイルスに感染しているといわれていますが、ほとんどの女性は、免疫力によって発症を抑えています。

ウイルス感染が発病に結びつく原因としては、喫煙や不摂生による免疫力の低下が考えられます。

HPVウイルスには100以上の種類があり、その中の13種が「高リスク型」と呼ばれる、癌の発生につながりやすいタイプであるとされています。
このタイプのHPVウイルスに感染すると、5年から数十年の間に子宮頸がんを発症することが研究結果からわかっています。

HPVの感染を予防するためには、性行為の際にコンドームを使用すること、下腹部を常に清潔に保つよう心がけることが、何よりも重要になります。
 

子宮頸がんの予防法

子宮頸がんの予防法の一つに、予防ワクチンの接種があります。

また、20歳以上の女性には、2年に1回子宮頚がん検診を受けることが推奨されています。
子宮頸がん検診によって、癌になる過程の異常をなるべく早期に発見することも、子宮頸がんの確実な予防法だと言えるでしょう。
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